日本人のインテリアリフォームにおいて、お施主様リクエストの上位の中にかなりウエイトで存在する

「和室使用→洋室使用」の変更の工事依頼。

いわゆる

和室の畳からフローリングの居間使用への変更工事が大変多いのである。

1970年代、関東における住宅マーケットの

大半を提供してきた住宅・都市整備公団(現UR)。その公団住宅(現UR)が、分譲販売を終了した10

年前まで、「2K(キッチン)~〇LDK」と称した商品をヒット人気住宅として販売していた。

公団セレブが憧れの女性像として仰がれていた、その当時、

公団セレブこと、「団地マダムたち」の住まいこそが、その個室が2つと一つのキッチン部屋であった。

日本人の「家」「住まい」のアイデンティティの中で、必ず「和室がある家」に住むことが、古くから

埋め込まれていた。もしかしたら、その日本人的インテリアアイデンティティは、そういった公団住宅(現UR)の住宅販売事情の背景が鑑み、「座」和室に住むということがインプットされて

来たのかもしれない。古くから日本人は、和室+キッチンが流行り、,インテリアの常識として、認知さ

れてきたその感性を次世代へ継承されつつ、欧米の文化を上手に入れながら変化させてきたのかもしれ

ない。しかし、残念ながら、どの年代からは定かではないが、「和室がある家」は、今は、もう流行ら

ないとして姿を消し始めてきている。

お茶の間のサザエさんやドラえもんのTVアニメには、その当時をいまだ「しあわせな家族の住まい像」

として、若い世代には、受入れられているらしいが、おしゃれな子育てをしたい今の若年層の実践!家

つくりには、残念ながら反映されずにいるらしい。携帯のアイコン削除のように、スピード級で家から削除されてき

ている畳の和室。「正座は脚のかたちがきれいではなくなるから・・・」などと、「座」の文化も同時に影を薄めているのはうそのような本当の話し。

そうは言ったものの、関東において、まだまだ、若年層のインテリアの要望ほど、住宅事情は新しい価値の「和室がない家」の新築の提供は追いつかないのが実態のようだ。

現在の家つくりは、1970年代の倍率が何倍もの人気住宅であった和室+キッチン(居間)のインテリアから、欧米文化のインテリアアイデンティティとともに、斬新なデザインで施されつくられている。

反対に、欧米では、「2020東京オリンピック」決定後、さらに「日本ブーム」はJAPAN COOLと題され、日本式インテリアが人気の幅を利かせている。その中で、「座」に日本人精神を学ぶ「和室」のインテリアが斬新なものとして流行っているから面白い。

今をときめく?日本人よりも日本人らしい外国の人々を、これからの日本人はぜひ、尊び、憧れる存在として頭を垂れるのかもしれないと思うと、本当にインテリアの歴史は時代背景を描くものだと実感させられる。

いつか遥か先、日本のインテリアと欧米のインテリアの動向を想像しつつ、「良い意味での逆転」洋風建材のハーモニーで造られた日本のインテリアと和室の多い欧米のインテリアが今後も増すことを楽しみにしている一人として、今日の書き納めとさせていただきたい。